2023年8月28日(月)
今日は市川市南行徳にある『ねっこ保育園』にやって来ました。

入口に、ロバ次郎のチラシが貼ってあります!わーい!

このチラシは、ねっこ保育園さんが作ってくださいました。かわいいチラシ作ってくださりありがとうございます♡

では、舞台を組み立てます。本日は、夏休み中なので中学3年生のかんちゃんが手伝いにきてくれてます。かんちゃんは音響をセッティング中。
高3のゆうなは、前日に気合を入れ過ぎて、前髪を切り過ぎてしまい、眉毛も剃りすぎてしまって、おかしなことになってます(笑)

きょうことアッキーとゆうな、手際がよい。着々と舞台ができあがっていきます。

もう完成!早っ!

今回は、ねっこ保育園の提携園である、きらら保育園の園児さん達も来てくれています。総観客数は50人。ちびっ子いっぱいでうれしいです(^^)

私達の人形劇は、お客さまが主役なので、お客さまが居て初めて成立します。子供達といっしょに踊ったり、質問して答えてもらったり、いっしょに空間を作り上げていくのです。

泥棒を驚かすシーンでは、0~2才児さんが悲鳴をあげて泣きだす子が居て、反応が良すぎて面白かったです。驚かせてごめんね。この劇、対象年齢は4才以上かなーと、子供達見てて判断しました。
先日の自治会館公演の時に、もっと驚かせた方がいいよってアドバイスもらってたんですけど、すぐに実行しなくてよかったー(ホッ)。もっと泣かせちゃうところだった。

終演後は、人形と子供達とのふれあいタイム。このふれあいタイムは、きょうこが「やろう!」って言ってくれたアイデアです。やってみてなるほど、こういう時間って大事なのですね。1人1人と接することができて、これこそライブのよさだなと思いました。

私はこの写真が1番気に入ってます。5人でロバTシャツ着て並んで立ってるとこ。

ねっこ保育園と、きらら保育園のみなさま、ブレーメンの音楽隊いかがでしたか?みんなで動物の鳴きまねを、元気いっぱいの大きな声でやってくれて、とってもうれしかったです。こっちがパワーをもらいました。今日は呼んでくださり、ありがとうございました(^^)
さて・・・
ここからは、ちょっと話をさかのぼります。
下の絵は5年前、2018年に、急に思いついて書いた、人形劇の絵コンテです。

ブレーメンの音楽隊の、ロバと犬と猫と鶏が、ガラクタで音を鳴らし始めて、そのうち音楽になっちゃったっていうお話です。セリフなしのサイレント劇って面白いかなと思って描きました。この時は、ただのロバでした。
これを、人形にしようとして、デザイン画を起こしたのがこの絵。

グレーのタートルネックに、グレーのチェックスーツ、丸くて青いサングラス。真面目なんだけどとぼけてて、料理が上手で、ドラムを叩ける、音楽好きのロバ。名前はロバ次郎。双子の兄がいる。っていう設定にしました。
で、それを、人形劇団ふわふわの師匠に作り方を教わりながら、棒使い人形にしました。

ものすごい、時間がかかりました。で、あの絵コンテを、実際に人形劇にしたものがこちら。
絵コンテとはだいぶ違うものになっちゃったけど、人形劇団ふわふわの仲間達のおかげで、私の思いを形にできました。
私は当時、声の病気をわずらってて、うまく声を出すことができず、喋るのが大嫌いでした。だから、喋ること以外を私はやってました。人を頼るのって難しかったし、山ほど失敗したけど、仲間達とこの作品を公演できて、幸せな気持ちになりました。
で、その次回作に、この作った人形達を使って『ブレーメンの音楽隊』をやろうということになりました。で、私は脚本を書き、追加で泥棒の人形を作りました。で、いざ上演!となった時、コロナがやってきました。
初演は中止。けっきょく上演は叶わぬまま、私はふわふわをやめました。
その後、奇跡が起きました。私が20年もわずらってた声の病気を、手術で治せることになったんです。私は迷わず手術しました。術後は声がカスカスだったけど、これからはなんでもできる気がして、起業しました。第2の人生スタートです。

そこからは、自分で決めた道をとことん進みました。ロバ次郎といっしょに。
道を決めるって、リスクです。わけのわからない試練の壁がどんどん出てきました。でもとにかく、私には「声」がある。だから強い!っていう根拠のない自信だけで進みました。声があるから、コミュニケーションもできるようになり、いろんな人と出会って喋るようになりました。
コミュ障ってね、実は楽だったんです。言いたいことを言わずにガマンしとけばいいだけだから。心の中で「察してくれー」って念じて、不機嫌な顔でもしておけば、誰かが気を使ってくれることもあるし。
でも、思ってることを言葉で相手に伝えるって、勇気とエネルギーが必要でした。私はコミュ障になんて戻りたくないから、怖くても伝える努力をしました。
「言う」と「伝わる」は違う。こちらが聞く姿勢があってこそ、相手が私の話に耳を傾けてくれる。会話がここちよく展開するって、このキャッチボールが大事なんだなって、改めて思いました。
私は、とにかく「人形劇がやりたい」って話を、いろんな人にしました。そしたら仲間ができました。そして、ねっこ保育園の理事長が公演する機会をくれました。すごく感謝しています。
「なんでそんなに人形劇やりたいの?」って聞かれても、「やりたいからやりたい」でしかないんですよね。理由なんてなくていいと思ってます。好きだから好きなんです。

ブレーメンの音楽隊を上演するにあたり、いろんな人の力を借りました。今いるメンバーはもちろんのこと、以前お世話になってた人形劇団ふわふわにも。ふわふわでは、私の人形劇活動の基礎を教えていただきました。仲間とやることの楽しさや、ありがたさ、人を活かすこととか、受容することとか。
人と一緒にやるって、絶対自分の思い通りにはならないです。温度も違います。だから、この人にお願いしよう!って決めたら、その人の引き出しを引っ張り出すように心がけました。相手を見て、もっといけそうなら求めてみました。
人形劇の音源を作る際、最初はロバの声優を自分が、後はきょうこと、いつもお世話になってる景山さんと、あとは知り合いのミナさんに頼もうとしてました。でも、泥棒役の声優は見つからず、困った私は行徳マップさん(行徳の情報発信をしてる人)に相談しました。すると、GG佐藤さんを紹介してくれました。
GGさんは、行徳出身の元プロ野球選手です。子供達のためにならやるよ!と快く引き受けてくださいました。

GGさんは、北京オリンピックで3回もエラーしちゃって、たくさんの人に猛バッシングされて、ものすごい辛い経験をされたんです。その話を語ってくれるGGさんは、めっちゃ面白くて、サービス精神あふれる、素敵な人です。
で、ゆうなの同級生の流星くんと、そのお友達のけいちゃんにも泥棒役の声優をお願いしました。録音の日、流星くんとけいちゃんは、あっという間にGGさんのことが大好きになり、「大きくなったらGGさんみたいになりたい!」って言ってました。

けいちゃんは、当初は泥棒のナス役でした。でも、録音が終わってみると、GGさんと声が似ていて、区別がつかなくなっちゃったんです。それと同じように、ロバ次郎役の私の声と、ケンケン役のミナさんの声が似ていて区別がつかない事件も発生しました。
なので、区別をつけるために、私とけいちゃんの役をチェンジしました。その時はすでに音源の編集が終わっていて、けいちゃんには自宅でアテレコをしてもらい、声を入れ替えました。アテレコはタイミング合わせなきゃいけないので、難しかっただろうと思いますが、けいちゃんは見事やってくれました。

流星くんは、泥棒のマル役。録音が終わった後も、追加で声を何度ももらいました。走る息とか、笑い声とか、悲鳴とかいろいろ。セリフじゃない声を、ラインでいっぱい送ってくれました。そのボイスサンプル使って、着信音ができそうです。

犬のケンケン役はミナさん。以前、私に人形制作を依頼してくださったお客様です。ミナさんと仲良くなって、話を聞いてるうちに、ミナさんの生き方がケンケンとリンクしたんですよね。で、声の出演をお願いしたんです。
そしたら録音当日、ミナさんがケンケンのバックストーリーを、ノートに書き出してきてくれました。台本を読みこんで、想像を膨らましてくれてることに感激しました。

景山さくさん(芸名)は、鶏のピヨコ役。景山さんは、勘がするどい。頭で考えるタイプではなく、感覚で動くタイプなんだと思います。そして安定の喉の強さ。頼りになります。インスタライブでは高音ボイスで歌も披露してくれました。

そしてきょうこはネネコ役。適任だろうと思いました。ネネコは昔は足が速かったんだけど、だんだん足が遅くなって、最近はネズミになめられてるっていう設定です。要するに年を取ったってことです。きょうこが「自分に重なって重い」って言ってました(笑)
ネネコの人形操作もきょうこがやってます。全体の緩急の『緩』であってほしかったので「ゆっくり動いて!」と言い続けました。まわりと違う動きをするって、難しいですよね。

そして最後は泥棒のナス。もともとはけいちゃんがやってたので、私が代わりにやろうとしたのですが、ちょっと考えました。で、ゆうなにお願いしました。
ゆうなは声優やりたがってたんだけど、歯列矯正を始めてしまったため、うまく喋れなくなってたんです。うまく喋れないからコミュニケーションも上手くいかず、よく泣いてました。その泣く気持ち、私はよーくわかる。
だからゆうなの出せそうな声の高さで喋ってもらいました。歯列矯正のしんどい気持ちを、笑いに変えるために、今できることをやりました。おかげでナスがおかしなキャラクターになりました。

気がついたら、こだわりの声優陣になってました。これはきょうこが作ってくれたパンフレットです。美術担当のアッキーや、編曲をしてくれた良次郎さんも載ってます。

パンフレット見ながら、あー、私はこんなに人を巻き込んでたんだなーと、身が引き締まりました。また妹に怒られそうです。「人に迷惑をかけるな!」って。
私とつき合うのってめちゃめちゃ大変だと思うんです。ハラハラするし、無駄なこといっぱいするし、道に迷うし、遠回りするし。人の気持ちを考えてるようで、よくずれてるし、期待を裏切るし。
でも、人に好かれようが嫌われようが、人間関係を築けるって、声があるからです。今、喋れることがめっちゃありがたいです。
ロバ次郎持って「フーミンです」って名乗る私は変な人ですよね。なんでフーミンなのかというと、えらそうな人がえらい訳じゃないし、バカにされてる人がバカなわけじゃないってことを、子供たちに気づいてほしいんです。
私は『行徳絵画工作教室』で、フーミン先生と呼んでもらってます。先生と呼ばれると、ついつい気持ちよくなってしまいます。先生マジックです。でも先生はえらくない。ただの人なんだよ。
好きなものを好きって言える素直さは、何よりも強いエネルギーを持っていると私は思ってます。だから子供たちよ!好きなものを好きって言いなね。
ロバ次郎と一緒に歩いてきたこの5年は、長い道のりだったけど、この先もまだまだ歩けそうです。奇跡もいっぱい起こったし。
これは劇中に出てくる歌の歌詞です。これがこの劇で伝えたいこと。今いっしょに過ごすこの奇跡の時間を、私は大事に楽しみたい。

「ブレーメンの音楽隊を上演する」というミッションは達成できたけど、まだここはゴールじゃないです。いろんな幼稚園、保育園、施設に呼んでほしいし、たくさんの人に見てもらいたいです。そして私達には行きたい場所があります。その場所は、リアルでお会いできた方に言います。
ここからもっともっと未来に向かって、ロバ次郎と歩いていきます。仲間といっしょに。

➡次の公演
2023年9月30日(土)
場所:はんぶん堂
(千葉県浦安市北栄3丁目19−4)
Tel 047-369-6717
時間:14:00~15:00(開場は30分前)
演目:あーちゃんとつき
料金:大人1500円/3才~中学生まで500円/0~2才まで無料
要予約:ライン・劇団員・またははんぶん堂へご連絡ください

2023年10月15日(日)
場所:ソコラ南行徳店ソコラテラス
時間:13:30~14:00/15:00~16:30
演目:ブレーメンの音楽隊
料金:無料
予約優先制:当日空きがあれば、ご覧いただけます
または080-6530-1143(奥田)まで

生きていればいろいろある
誰でもみんな年を取る
今いっしょに過ごすこの奇跡を
大事に楽しもう