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油絵『第3の質問』



今日は油絵を描きます。これがそのアイデアスケッチです。



キャンバスに鉛筆で下絵を描いたら、青色の油絵の具でその線をなぞります。影をつけたい部分や濃くしたい部分は、塗りつぶします。そこまでできたら、今日は終わりです。


油絵って、水彩画とちがって、すごく時間がかかります。1週間経っても、2週間経っても乾きません。わたしは気が短いので、一気に塗りたくなっちゃうのですが、ガマンして今日は寝ます。



次の日。


ぜんぜん乾いてないけど、次いっちゃいます。どんどん塗っていきましょう。ぬりぬり・・・


よし、今日はここまでです。



次の日。


乾いてないっちゅうのに、塗っちゃいます。早く描きたい~!乾いてないから、ぜんぜん色が乗りません。もうっ・・・



ぜんぜん乾かないので、ここで昔ばなしをします。


むかーしむかし、中学の時、美術の宮本先生という、めちゃめちゃ怖いおばちゃん先生がいました。いつもカラフルで奇抜な格好をして、眉毛がつりあがって、ひどい暴言をいっぱい吐く、それはそれは恐ろしい人でした。


そんな宮本のお気に入りの生徒が私でした。


宮本は、私の描く絵をすごいほめてくれました。何描いてもほめてくれて、私の絵を美術室にいっぱい飾ってくれました。


でも、わたしは立体工作が超絶苦手で、粘土とか彫刻でへたなものを作ると、それはそれは暴言を吐かれました。


高校受験は、県立工業高校のデザイン科を受けることにしました。志望校が決まると、受験のために、デッサンを1日2枚描けと宮本に言われました。わたしは放課後美術室で1枚描き、家に帰って1枚描き、毎日宮本の添削を受けました。


休みの日は1日3枚も描かされました。拷問です。最初の頃は丁寧に描いてたけど、デッサンで自分の時間がなくなってしまうのが嫌だったので、そのうち高速でグワーッと描くようになりました。


宮本はわたしの担任でもあったので、顔を合わせない日はありませんでした。鬼のような先生だったので、毎日胃がキリキリしてました。


当時 宮本は、わたしの志望校のデザイン科の先生と文通友達でした。宮本はあらかじめ、その人にわたしのことを伝えてくれていました。


その文通友達というのが、推薦入試の面接官でした。


その面接官は、末政(すえまさ)先生といって、頭がハゲかけてるけどおかっぱで、背の高い、話し出したら止まらない、オシャレなおじいちゃん先生でした。



「あなたの話は、宮本先生からよく聞いてますよ」


末政先生は自分のことを「わたし」と言っていました。


「わたしは演劇部の顧問をしています。演劇部は人が足りません。あなたがこの高校に入ったら、演劇部に入ってくれませんか?」


と言われたので、わたしは「はい」と答えました。


わたしはデザイン科に合格し、言われたとおり演劇部に入りました。(この演劇がきっかけで、のちにわたしは大学で劇団に入ります)


末政先生は生徒から「スエ」と呼ばれてました。鬼のような宮本とちがって、ものすごくフレンドリーでした。なぜこの2人が文通友達なんだろう?って不思議でした。


スエは学校の外ではベレー帽をかぶっていて、見るからに芸術家な人でした。そして金工美術の先生でした。(金工とは金属を使って作る工芸品のことです)


ある時、スエは美術展に大きな金ピカの作品を出品しました。金の四角形が、銀色の台の上に5・6個浮かんでるような、なんとも言えない大きな作品です。


その作品のタイトルは『第3の質問』



「芸術家の考えとることはわからんわー」とバカにしながら、美術館の中に展示してあるスエの作品を3秒くらい見て、次に行きました。


そんな芸術家だったスエも、わたしに美術が嫌いになるほどスパルタ指導をしてくれた宮本も、今はもう死んでしまいました。


宮本はすーーーーーっごい怖くて、破壊的な攻撃力を持つ、強烈な人でした。だからわたしの中学時代は、宮本の記憶でいっぱいです。こいつ絶対に死なないだろうなって思ってました。なのに宮本は、わたしが大学生の時に病気であっさり死にました。大きくなったら文句を言ってやろうと思ってたのに、これじゃあ文句が言えません。


スエは、大学の近くまで遊びに来てくれて、フグおごってくれました。電話でしゃべったり、スエのお家に遊びに行ったり、わたしの結婚式で長~いスピーチしてくれたり、大人になっても末永くおつき合いが続いてました。でもスエも、何年か前に死んじゃいました。2人ともすばらしい先生でした。



で、話が長くなりましたが、このロバ次郎の絵を描きながら、タイトル何にしようかなって考えてたら、ふと、スエのあの作品を思い出したんです。


スエの金ピカの作品は、金沢駅前の道路にも飾ってありました。毎回よくわからない作品によくわからないタイトル。それをわたしは何も考えようともせずに見過ごしてしまったんです。


だからわたしは、このロバ次郎の絵に『第3の質問』というタイトルをつけました。


スエはいったい何を考えていたのか。アートとはなにか。2人の恩師は、アートについてどう思っていたのか。わたしは死ぬまでに答えが出せるのか。


というわけで、人生の再出発は、その答えを探す旅なのです(^^)


油絵完成しました!

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